内容
3大名窯の各工房を訪ね、シャトー美術館を辿る旅
洋食器愛好家、アンティーク愛好家憧れのヨーロッパ三大名窯「マイセン」「ウェッジウッド」「セーブル」の歴史的陶磁器を満載
【担当編集者からオススメの一言】
2005年9月19日まで開催中の、東京・上野、国立西洋美術館の「世界の鏡ドレスデン展」。これは今年ドイツ年ということで門外不出の国宝がドレスデン国立美術館からごっそり引越してきたもの。フェルメールの絵画あり、ダイヤモンドあり、地球儀あり、とすこぶる興味深い。なかでも陶磁器コーナーはすこぶる充実。アウグスト強王というこのドレスデンを統治していた王様が札付きの「陶磁器マニア」であったそうだ。
マイセンという陶磁器の名前はTV番組「お宝鑑定団」でもお馴染みのブランド名だが、そのマイセンを作ったのがこの王様。ヨーロッパ最初の陶磁器として、日本の伊万里や有田をお手本にして作らせたのがマイセン。当時それは錬金術(!)とされており、技師は城に幽閉されて白い磁器づくりを強要された・・なんていう薀蓄をたっぷり盛り込んだのがこの、本書。ほかにもあのストロベリー柄で有名な英国ウェッジウッドの創設者の世界制覇や、フランスのセーヴル窯とポンパドール夫人の関わりなど、興味深いエピソードばかり。
器それはもうひとつの欧州人物史です。(編集担当K)
目次
・第一章 マイセン(ドイツ) ヨーロッパ磁器の王者
・第二章 ウェッジウッド(イギリス) 女王の許しを得た器
・第三章 セーブル(フランス) 華麗なるフランス美学の粋