男と女、それぞれの“日記文学”
古典の代表的名著を当代一流の作家陣が読みやすく現代語訳した『日本の古典に親しむ』シリーズ。第10巻目の本書では、生きる喜び、悲しみなど王朝人の心の機微にふれる日記文学を掲載しています。
【担当編集者からオススメの一言】
『日本の古典に親しむ10 蜻蛉日記と王朝日記』お楽しみいただけていますでしょうか。この巻で取り上げられている古典の作品世界は「王朝日記」と呼ばれるものです。繊細な感性に満ちた貴族たちの心の機微が綴られています。
編集する上で一番難しかったのは、心象風景をビジュアル化するという点です。そこで、この巻では書家の閑万希子先生にお願いして、作中の和歌を書いていただきました。巻紙や懐紙、また色もさまざまに使い、平安の世を思わせる小道具とあわせて、あたかもそこに女人がいるような雰囲気を出しています。また安齋君予先生に、四季を表すモチーフの文香を作っていただきました。ごらんになったかたがたに、時代感とともに季節をも感じていただきたかったからです。いにしえの人々は自然と寄り添って暮らし、その移ろいを愛で、歌に詠みました。そうした心情を写真で表現したいと考えました。
さらには風景写真もオール新撮しました。それもこれも、他にはないビジュアル版の古典シリーズを作り上げたいと思ったからです。誌面からそうした思いを感じていただければ、これ以上、嬉しいことはありません。(編集担当I)