内容
建築家として10年間でつくった8つの住宅と、未来の自邸をめぐる物語。
「いかなる建築にも、物語があるものです。
とりわけ住宅という建築には、住まい手たちの物語があり、それは、どこか生命体のように、設計者である建築家の意図をはるかに超えて、時間とともに大きく成長していきます。
住宅には、住まい手たちを中心にしてコスモロジーがつくられていくのです。
それを、ぼくなりに綴ったのが、この一冊です。」(あとがきより)
目次
はじめに
凱風館(2011)――記憶の器としての「みんなの家」
祥雲荘(2013)――都市の中で伸びやかに住まう
如風庵(2014)――素材に対する徹底的なこだわり
望岳楼(2015)――つくり続ける悦び
旅人庵(2015)――地層のように積み重なる家族の時間
群草庵(2017)――空っぽの中心が引き寄せるもの
森の生活(2018)――移ろいを囲みながら
静思庵(2018)――毎日のわくわくドキドキ
未来の光嶋邸(20XX)――家を他者に開く
おわりに
光嶋裕介(こうしま・ゆうすけ)/
1979年、アメリカ・ニュージャージー州生まれ。一級建築士。
早稲田大学理工学部建築学科卒業。2004年同大学院を卒業し、ドイツの建築設計事務所で働く。2008年帰国後、独立。
2011年、内田樹氏の自宅兼道場《凱風館》を設計、若手建築家の登竜門である「SDレビュー」2011に入選。
神戸大学で客員准教授、早稲田大学などで非常勤講師を務める。
著書に『みんなの家。建築家一年生の初仕事』(アルテスパブリッシング)、『幻想都市風景』(羽鳥書店)、『建築武者修行――放課後のベルリン』(イースト・プレス)、『これからの建築――スケッチしながら考えた』(ミシマ社)『建築という対話――僕はこうして家をつくる』(ちくまプリマー新書)など。