【担当編集者からオススメの一言】

スペイン・バレンシア州立歌劇場で2007〜2009年にかけて
上演され、大きな話題となった「バレンシア・リング」。
El Mundo誌・最高パフォーマンス賞、イタリア音楽批評家協会・
アッビアーティ賞を受賞している。

ヴァーグナーの永遠の名作「ニーベルングの指環」が、
ズービン･メータの指揮とカルルス・パドリッサの演出で
文字通り「21世紀のヴァーグナー」というべき革新的かつ
魅力あふれる舞台に生まれ変わった。
パドリッサは幅広い活動を行なっている集団
「ラ・フラ・デルス・バウス」の主要メンバー。バルセロナ･
オリンピックの開会式の演出などを手がけたことでも知られている。
今回の舞台では、鍛え上げられた人間の肉体と
ハイテク技術を融合させ、観たことのない
ヴァーグナー・ワールドを創り出した。

舞台美術の一部と化す肉体、逆さづりのまま歌うジークフリート、
どことなく世紀末SF的な雰囲気を感じさせる衣装やメカニカルな
大道具、巨大スクリーンに映し出されるCG映像……、
目が離せない演出が続く。
これと対を成すのがズービン･メータによる音楽。
我々にヴァーグナーの世界を見事に伝えてくれる。歌い手たちの
技量も高く、目も耳も完全に満足させてくれる名演である。

「ラインの黄金」「ヴァルキューレ」「ジークフリート」
「神々の黄昏」の序夜付き全幕をDVD7枚（約16時間）に
日本語字幕付きで完全収録。解説ブック80P。