内容
忘れてはいけない、そして忘れたくない物語りがここにあります
70年目の夏。昭和20年8月15日の物語り。日本中のお母さんと子どもたちに……。野坂昭如の戦争童話集全12話。
【担当編集者からオススメの一言】
1975年刊行の『戦争童話集』から40年。イラストレーター黒田征太郎の絵によって新たな命を吹き込まれた昭和20年8月15日の12編の物語り。
戦争によって命が無残に奪われていく様を伝える、日本中のお母さんと子どもたちに読んで欲しい物語りです。
日本人はいつの間にかあの戦争をなかったことのようにしてしまった。戦後というが、今もなお戦争は続いている。戦争は、気がついた時には、すでに始まっているものだ。 ─野坂昭如
ほんとに戦争がうばい、消しさるのはヒトのイノチだけではありません。ネコもイヌもトリもムシも草も花も木も水も土もぜんぶダメにしてしまいます。 ─黒田征太郎
目次
●小さい潜水艦に恋をしたでかすぎるクジラの話
●青いオウムと痩せた男の子の話
●干からびた象と象使いの話
●凧になったお母さん
●年老いた雌狼と女の子の話
●赤とんぼと、あぶら虫
●ソルジャーズ・ファミリー
●ぼくの防空壕
●八月の風船
●馬と兵士
●捕虜と女の子
●焼け跡の、お菓子の木
【著者プロフィール】
原作・野坂昭如●のさか あきゆき
1930年生まれ。1967年、『火垂るの墓』『アメリカひじき』の2作品で第58回直木賞受賞。1997年に『同心円』で吉川英治文学賞を、2002年には『文壇』及びそれまでの文業により、泉鏡花文学賞を受賞した。そのほかのおもな作品には『東京小説』『死刑長寿』『戦争童話集』など。近著に『シャボン玉 日本 迷走の過ち、再び』ほか。2003年、脳梗塞で倒れ、リハビリ中。
画・黒田征太郎●くろだ せいたろう
1939年大阪生まれ。1969年、長友啓典とK2設立。1994年、「野坂昭如/戦争童話集」映像化プロジェクト。2004年、PIKADON PROJECTを開始。2011年震災後、仮設住宅の壁画制作。著書に『火の話』『水の話』『土の話』『教えてください、野坂さん』など。国内外でライブペインティング・壁画制作・絵話教室等幅広く活動中。