内容
にげたり かくれたりするのはよわむしなことじゃないよ
あまがえるのラッタ、チモ、アルノ―は林の中に探検に行くことに。見たことがない世界にはしゃぐ3匹ですが、さまざまな生き物たちに遭遇し……。逃げて、隠れてばかりの3匹にとって、“冒険”とは? 葛藤しながらも、無邪気に逞しく“いまを生きる”3匹の成長と、明日への希望を描いた物語です。
目次
【あとがきより(一部抜粋)】
生きるために逃げたり隠れたりすることは卑怯でも臆病でもない。それは生きていくための武器です。
今日を力一杯生きて、反省する間もなく疲れて眠り、また明日がやってくる。 今を生きる、その積み重ねです。
なにかを成し遂げることばかりが素晴らしい人生というわけでないと思います。 私たちから見れば苦しく辛いことが起こっていても、
カエルや虫は「そんなこと当たり前だよ」とでもいうような素振りです。カエルや虫は考えないから、といってしまえばそれまでの話ですが。
こう生きればよいなどという答えはどこにもありません。
でも私は、懸命に今を生きるアマガエルの姿に、こんなふうに生きられたらいいなと思います。
―作者・舘野鴻
たてのひろし/
1968年、神奈川県生まれ。絵本作家・生物画家。幼少期より、熊田千佳慕氏に師事。美しい細密画で多くの人々を魅了している。2017年、『つちはんみょう』(偕成社)で小学館児童出版文化賞を受賞。その他の作品に、『しでむし』『がろあむし』(偕成社)、『あまがえるのかくれんぼ』(世界文化社)などがある。
かわしまはるこ/
1967年、埼玉県生まれ。生物画家。2006年より舘野鴻氏に師事し、昆虫や植物などの観察法や生物画を本格的に学ぶ。絵本に『あまがえるのかくれんぼ』(世界文化社)、『せみのこえ』(福音館書店)、挿絵に『野鳥が集まる庭をつくろう』『世界の美しき鳥の羽根』(誠文堂新光社)などがある。