内容
柳宗悦「没後60年」海外の名品を撮りおろした「民藝」決定版
2021年は民藝運動を提唱した柳宗悦の「没後60年」。名もなき工人たちが作った生活道具に美を見出した柳は、それらを「用の美」と称えました。彼の眼は海外にも向けられました。李朝の「染付や白磁の陶磁器」「水注などの石工」「箪笥や盤、膳などの木工」「文字絵や文房図などの民画」、中国の「陶磁器や家具・調度」、西洋の「スリップウェアや家具」などから、日本民藝館が名品を選び、監修し、解説したのが本書です。
目次
第一章 李朝 尾久彰三
石工 火鉢/鍋/筥/硯/水注/油注/石仏 ほか
陶磁器 辰砂/染付/窓絵/白磁/三段重/水滴と香合/深鉢と大壺/茶碗と碗
木工 棚と床/厨子と卓/箪笥/枕と火鉢/片口と弁当箱/盤と膳/箱/筆筒/香合/状差し
民画ほか 山水画/山神図/蓮華/文字絵/狗/孤山戯墨/文房図/刺繍の屏風
第二章 中国 田中雍子
陶磁器 大蓋物と深鉢/大瓶/大皿/中皿/小皿/角皿/筆筒/白い器
家具・調度 枕/香合/合子/ストーブ
彫刻 明器ほか
絵画 元画とガラス絵
拓・碑
台湾衣裳 上衣/祈禱/袖衣/袴/袈裟衣 ほか
台湾家具 小椅子/戸棚
第三章 西洋 杉山享司
スリップウェア 鉢/皿/酒杯/水注
陶器 大皿/深鉢/中皿/水注/甕
ガラス 甕/角瓶/草花文瓶
タイル
家具 脇卓/棚/ビューロデスク/箪笥/ウィンザーチェア/ラダーバックチェア ほか
絵画
日本民藝館/
名もなき工人たちの手によって生まれた“日用の雑器”に美を見出し、生涯をかけて蒐集した柳宗悦。彼が中心となって設立を企画し、有志の援助を得て1936(昭和11)年、東京駒場に開かれたのが日本民藝館。初代館長を柳が務めた。約1万7000点にも及ぶ国内外の名品が収蔵された「民藝の殿堂」として知られている。
藤森 武/
1942(昭和17)年東京都生まれ。 東京写真短期大学(現・東京工芸大学)在学中から土門拳に師事。 『古寺巡礼』シリーズをはじめとする、後期代表作の助手を務めた。著書は 『独楽・熊谷守一の世界』『隠れた仏たち(全5巻)』『丹波の名陶』など数多い。日本写真家協会会員、土門拳記念館理事。