内容
「酒蔵」で地域を再生したい ─ 元・野村証券マンが北海道の過疎のまちで挑んだ地域創生物語
北海道・上川町に注目の酒蔵がある。上川大雪酒造だ。2017年、元・野村証券マンが三重県の酒蔵を移転させ、事実上の新規酒蔵を作る。”常識やぶり”だと業界は騒然となったが、北海道産酒米を100%使用する酒はクリアで飲みやすく評判を呼んだ。
そこには上川町民の協力があり、さらに地元の教育機関と連携し、久しく酒蔵の絶えたまちに次々と酒蔵を作った。酒蔵を軸に農業、教育、産業に再生をもらたらす奇跡のストーリー。
目次
●上川編「希望の酒蔵」
一.過疎化の波にさらされて
二.地方から国を動かす
三. 「地方創生蔵」をめざして
四. 生まれ変わるまち
●上川大雪の酒造り
●帯広編「大学の酒蔵」
●北海道産酒米の秘密
●函館編「都市を変える酒蔵」
垂見和磨●1965年、岐阜県生まれ。一橋大学社会学部卒。1990年に共同通信社に入社。岐阜支局、名古屋支社を経て97年に本社社会部で検察取材と調査報道を担当。特別報道室などで地方創生の取材に関わり、現在、調査部部長職。著書に『薬草を食べる人びと』(世界文化社)。共著に『東京地検特捜部』(講談社)など。『文藝春秋』に人口減少や外国人材問題を寄稿、『宇宙飛行士 野口聡一の全仕事術』(世界文化社)の編集協力など。