内容
日本初にして世界初! ―すべてが藤田作品、究極の個人美術館へ
エコール・ド・パリの代表的な画家、藤田嗣治。この本は、彼の生きざまに共感するコレクターが設立した、藤田作品だけを展示する個人美術館「軽井沢安東美術館」の収蔵作品を網羅したものです。蒐集の出発点となった「猫にまつわる」作品群をはじめ、藤田の代名詞となった「乳白色の下地」による裸婦像、晩年の「聖母子像」まで楽しむことができます。このたび新収蔵作品30数点を増補し、「完全版」にグレードアップしました。
目次
◆少女と猫
安東コレクションの中核をなす「少女」「猫」そして「少女と猫」があますところなく大集合。
◆渡仏
透き通るような「乳白色の下地」。“時代の寵児”となった藤田の画風。その移ろいを初期から辿る。
◆旅する画家
フランスを発ち、アメリカ大陸を旅し日本へ――。戦争をめぐる癒しがたい心の傷、そして挫折。
◆ふたたびフランスへ
故国を離れ、過去を捨てフランスに向かった藤田。心の安寧を求めた最終到達点。
◆挿画本の世界
藤田自身が絵画制作とは異なる魅力を感じていた「本の仕事」。バラエティに富む作品世界へ。
《専門家によるコラム》
内呂博之/「乳白色の肌について」
佐藤幸宏/「藤田嗣治の宗教画」「平和の聖母礼拝堂について」
林 洋子/「“猫と少女”と藤田」「本を装うひと、藤田」
原田久美子/「藤田の旅ーマドレーヌをともなって」
深谷克典/「藤田嗣治とエコール・ド・パリ」