内容
還暦を機に創作の道に入った四半世紀の記録。人気の茶陶を中心に「陶」「書」「画」を網羅。エッセイ付き
細川護熙さんは、もともとは焼物に興味はなかったそうです。友人がやっているのを見てにわかに思い立ち、基本を学び、挑戦を続けてきました。
長次郎に憧れ、光悦が好きで「なんとかしてあの素晴らしい作品に近づきたい」と思い、試行錯誤を繰り返してきたのです。茶陶のみならず幅広く陶の作品を世に送り出し、書そして画も琴線に触れるような力作を生み出しました。25年の創作活動のなかから、自らが選んだ作品たちを掲載。
目次
はじめに 好きこそものの上手なれ
細川護熙さんとの出会い 藤森 武
第1章 陶
やってみたい一心で、茶陶に挑む
楽焼
黒楽
赤楽白楽
掛分け・その他
作為を持たずに作陶するのは難しい
井戸
斗々屋
柿の蔕
伊羅保
奥高麗
刷毛目
粉引
唐津
志野
伊賀
私を「野の仏」作りに導いた五輪塔
信楽
種子島
鉄釉・灰釉
青釉・緑釉・青白釉
陶板・帯留・懸仏・陶板仏
竹
漆
第2章 書と画
重ねた手習いへの懐旧の情、襖絵がつなぐ縁
書
掛軸
屏風
額装
柱掛
画
水墨・水彩
油彩・漆絵
おわりに 残生をどう生きるか
細川護熙年表
細川護熙●昭和13(1938)年、東京生まれ。上智大学法学部卒業。新聞記者を経て熊本県知事などを歴任。平成5(1993)年に第79代内閣総理大臣に就任。60歳を機に政界を引退し神奈川県湯河原にて創作活動を始める。陶芸はじめ書そして水墨画、油絵、漆芸など多彩な創作を現在に至るまで意欲的に行ってきた。『不東庵日常』(小学館)などの著書がある。公益財団法人永青文庫(細川コレクション)理事。
藤森 武●昭和17(1942)年、東京都に生まれる。写真家土門拳に師事、東京写真短期大学(現東京工芸大学)卒業。凸版印刷写真部を経て、フリーランサーとなる。現在、日本写真家協会会員、土門拳記念館学芸担当理事。『獨楽・熊谷守一の世界』(講談社)『国宝・重文の茶室』『柳宗悦コレクション 愛蔵版 用の美 日本編』(世界文化社)、『隠れた仏たち 全5巻』(東京美術)など写真集は数多い。